日本政策金融公庫総合研究所調査結果
近年、開業費用は減少傾向にあり、500万円未満で開業した企業(少額開業)の割合は1995年度の20.3%から2008年度は35.4%(注)に 高まっている。
(注)時系列で比較するために、融資時点で開業前または開業後1年以下の企業に限定して集計した数値である。なお、以下では融資時点で開業前または開業後5年以下の企業を分析対象としており、その場合、少額開業の割合は43.1%となる。
開業費用の平均は、少額開業が242万円、非少額開業が1,816万円である。少額開業は金融機関から資金を調達する企業の割合が低いが、その理由は「自己資金で十分だったから」だけでなく、「借りられないと考えたから」や「利用できる融資制度を知らなかったから」という理由も多い。
開業準備についてみると、少額開業は開業準備期間が短い企業が多く、開業計画書を作成していない割合が高い。開業時に「販売先の数」「仕入先の数」「金融機関からの資金調達額」の準備状況が十分だったという割合も非少額開業より低い。少額開業は準備が不十分なまま開業してしまうケースが多い。
少額開業は非少額開業と比べて目標月商達成率が低く赤字である割合が高いなど、企業としてのパフォーマンスは良くない企業が多い。
しかし、黒字の企業について従業員一人あたりの利益額や開業費用に対する利益額の比率をみると、少額開業の方が総じて効率性が高い。
さらに、雇用1単位の創出に要した開業費用は少額開業の方が少なく、雇用創出のコストパフォーマンスも良い。経営者の仕事のやりがいに対する満足度も非少額開業に劣らない。
他方、少額開業は金融機関から借り入れている割合は非少額開業より低いものの、借り入れを必要とする企業は少なくなく、民間金融機関は小口の開業資金の融資には消極的であると思われることから、公的融資を通じた資金調達は重要である。また、少額開業には開業時の準備が十分に行われていない企業が多いことから、開業準備の重要性を理解し、準備の熟度を高めていく必要もある。
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